2025年3月10日発売

夜の仕事に就く理由は様々だ。失業のため、虐待から逃れて生き延びるため、大学の学費や病気の治療費のため、ホストやバーの売掛金の支払いのため。性風俗で働くことには、昼の世界よりも圧倒的に高額な報酬を手にすることができる可能性がある反面、ストーカー被害や性感染症、社会的な信用といった面での大きなリスクが伴う。彼女たちはなぜ性風俗産業で働きはじめ、どのようにして卒業したのか。実際の体験をもとに脱がずに生きる方法を模索する。
●性風俗サバイバル 夜の世界の緊急事態(ちくま新書・坂爪真吾)
2021年4月8日発売

2020年、夜の世界はかつてない危機に直面した。新型コロナの感染拡大により性風俗店への客足が途絶え、働く女性たちは瞬く間に収入と居場所を失った。窮状を誰にも話せず、公的支援からも排除されたまま、孤立と貧困に苦しむ彼女たちを助けるために、これまで声を上げなかった人たちが声を上げ、動いた。コロナ禍の世界で生き延びるため、夜の世界と昼の世界との間に橋を架けるための苦闘に内側から迫ったドキュメント。
【目次】
第一章 LINEの通知が鳴りやまない ――風テラスの百日戦争・前半戦
第二章 崖っぷちの性風俗 ――風テラスの百日戦争・後半戦
第三章 立ちはだかる「性風俗の壁」
第四章 歌舞伎町に立つ
第五章 夜の世界を孤立させるな
第六章 誰もが性風俗の当事者に
●性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困 (集英社新書・坂爪真吾)
2019年12月17日発売

「彼女たちは、なぜ、その仕事をやめられないのか?」
経済的困窮におかれたシングルマザーの中で、デリヘルなどの性風俗店で働く人たちが増えている。首都圏に比べて賃金も低い、働き口も少ない、行政の公的サービスも十分でないという地方都市において、「性風俗シングルマザー」はどのように仕事と育児をこなし、貧困から脱出しようともがいているのか?
【目次】
はじめに
第一章 地方都市の風俗店で生きるシングルマザー
第二章 生活と子育てを安定させるために
第三章 義実家という名の牢獄
第四章 たった一人の自宅出産
第五章 彼女たちが「飛ぶ」理由
第六章 「シングルマザー風俗嬢予備軍」への支援
第七章 風俗の「出口」を探せ
第八章 「子どもの貧困」と闘う地方都市
終章 「家族」と「働く」にかけられた呪いを解く
おわりに
シングルマザーが生活や仕事で困った時の相談窓口
●「身体を売る彼女たち」の事情 ―自立と依存の性風俗 (ちくま新書・坂爪真吾)
2018年10月8日発売

「生活保護は、絶対に嫌です」「私はデリヘルで働きます」
なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのだろうか? 風俗で働く女性のための生活・法律相談窓口「風テラス」に寄せられる彼女たちの悩みの背景には、若者の貧困、DVや虐待などの家庭問題、ワーキングプア、見えづらい障害や病気など、複雑な社会課題が絡み合っている。そうした課題を解決するために彼女たちが選んだJKリフレやデリヘルの世界には、一度足を踏み入れると抜け出しにくい構造がある。自助と公助の狭間に落ち込んでしまった彼女たちが集う「いびつな共助」としての性風俗の世界を描き出し、自己責任論と感情論に満ちた社会に風穴をあけるための一冊。
【目次】
第一章 「JKリフレ」という駆け引きの世界
1「いくらで」「どこまで」やるかは、女性が決める
2「少女」と「大人」の狭間にある金脈
3 JKリフレ嬢の実態
4「楽屋」に集う彼女たち
第二章 「風俗嬢」はこうして生まれる
1 生活保護はデリヘルに勝てない?
2 家族から逃れるために
3「寮完備」「即日入居可能」に惹かれる理由
4 昼の仕事からこぼれおちる
5 働くから病むのか?病んだから働くのか?
6 すべてを解決してくれる仕事
第三章 デリヘルの居心地がよい理由
1 彼女たちを守る「見えない」事務所
2「助け合い」の果てに
第四章 風俗で働くことの本当の怖さ
1 共助の中で生みだされる落とし穴
2 自分も外の世界も透明になる
3「すべて現金化できる」という魔力
4 消えない過去から逃げられない
5 客と付きあったら、こうなった
6 奈落の底で奪われ続ける彼女たち
7 子どもたちへの「貧困の連鎖」を防ぐために
第五章 ライ麦畑のサバイバル・ガイド
●パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?(光文社新書・坂爪真吾)
2018年10月16日発売

女性が年上の男性とデートをして、見返りに金銭的な援助を受ける「パパ活」が広がりを見せている。何が彼女ら彼らをパパ活に駆り立てるのか?
パパ活に関わる女性・男性へのインタビューを敢行し、交わされる金額、年齢・職種、主戦場である交際クラブについてなど、生の情報を掲載。そこから見えたのは、複雑化・多様化した現代の価値観を最も強く映し出す鏡としてのパパ活の姿である。既存の制度や規範、世間体 ―― 社会の衣を脱いだ先にある「生の人間関係」のリアルとは? 多様性が賛美されているにもかかわらず、価値観の異なる他者に対する不寛容と排除の圧力が強まりつつある社会は、刻々と変化していくこうした新たな人間関係の在り方を許容できるのか?自由恋愛の最果ての地、「父なき時代」の現在を描き出す。
【目次】
はじめに
第1章 私、パパ活でやっと普通に生きられる
第2章 パパ活は専業にできるか?
第3章 失われた愛を求めて
第4章 恋人でも、妻でも、愛人でもない関係を
第5章 男、パパ活の合理化を図る
第6章 パパ活の生まれた場所
第7章 人生をパパ活でデザインしていく
終章 パパ活は自由恋愛のユートピアか?
あとがき
●見えない買春の現場 「JKビジネス」のリアル(ベスト新書・坂爪真吾)
2017年2月9日発売

顔の見えない買春男性の素顔を暴く!
性風俗や売春を扱った書籍の宣伝文句には、「なぜ彼女たちは身体を売るのか」「裸になったのか」という女性を主語にした問いが必ずと言っていいほど使用される。しかし「なぜ彼らは」という男性を主語にした問いが使用されることはまずない。
いつの時代も、男性は自らが買う理由を問われることなく、売る理由を問う側であり続けてきた。それゆえに、彼らは顔の見えない匿名の存在であり続けてきた。本書はこうした「名前のない男たち」の実像に迫った、はじめての書籍である。
【目次】
第1章 買春の歴史
第2章 メディアと買春
第3章「月刊買春」の世界
第4章「婚活」としてのJKビジネス
第5章 曖昧さの引力
第6章 児童買春という不幸を減らすための提言
2016年1月7日発売

妊婦や母乳を売りにするホテヘル、わずか数千円で遊べる激安店、四〇から五〇代の熟女デリヘル……
店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしている。さらに参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態だ。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのだろうか。様々な現場での取材を通して風俗に画期的な意味を見出した一冊。
【目次】
第一章 地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記
第二章 妊婦・母乳専門は「魔法の職場」
証言 「kaku-butsu SOD覆面調査団 風俗ランキング」の野望
第三章 「風俗の墓場」激安店が成り立つカラクリ
コラム 売春以上恋人未満の「会員制高級交際クラブ」
第四章 「地雷専門店」という仮面
証言 歌舞伎町とまちづくり
第五章 熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?
証言 風俗に役に立つデザインとは?
第六章 ドキュメント 待機部屋での生活相談
第七章 つながる風俗